『半落ち』(小説)

 ベストセラーが文庫になったのでこないだ買っておいたの。おもしろくて一気に読んじゃった。アルツハイマーの妻を殺した(妻に懇願されて嘱託殺人)警察官が、自首して以降関わる人物ごとにチャプター分けされていて、それぞれの人の視点から描写されてるの。①取調べをする警察②検察官③新聞記者④弁護士⑤裁判官、の順だったかな〜くどくど説明されてる印象はないのに、各人物の人柄や家族構成なんかの背景もしっかり描かれてて、それがこの小説を厚みのあるものにしてる印象。警察内でも警務部と刑事部、警察と検察の確執なんかがでてくるのは興味深かったな〜
 なんせ妻殺しだから、映画化されて話題になったときには暗そうだなと思って敬遠してたんだけど、弟が「めちゃくちゃよかった!」って絶賛するからずっとひっかかってたの。やっと読めてよかった!予想とは全然違って、しんみりしたり叙情的なところは少ないの。終わりにはちょっとした驚きの種明かし(?)が用意されてるけど、ほんと心温まる&希望の持てる、そんな印象を強く受けました。わたしが勝手に抱いたイメージっていうか、キーワードは「救い」かなぁ。。。