『嫌われ松子の一生』(山田宗樹)上・下

 昨日の夜と今日の夜で読みきってしまった〜おかげさまでまた寝不足・・・途中は松子の生涯が過酷過ぎて(国立大を出て教師になるけど、成り行きで窃盗の濡れ衣を着せられかけて家を飛び出し、売れないけど才能はあるっていう文学青年と同棲して自殺され、トルコ嬢になるけどヒモにお金を使い込まれそのヒモを殺しちゃって、服役して、出所して美容師になるけどまた今度は・・・みたいな展開)、だんだん気持ちが重〜くなっちゃう感じだったけど、最後になってやっぱりいい小説だなぁって思ったの。最初に松子に窃盗の濡れ衣を着せた生徒で、美容師の松子と12年後に再会して同棲することになる男の人がいて、その人が刑務所でもらった聖書の言葉に戸惑い、疑念をもち、ついには救いを見出すところなんかは、人間についてあらためて考えさせられるかんじ。
 頭がよくて愛情深くて、なのに凶暴性と男性への過度の依存によって波乱万丈(?悪い意味で)の人生を送る松子っていう人物像は、小さい頃から父親の愛情の欠落を感じ続けてたってことがキーになるの。ほんとはたぶんお父さんは愛情をちゃんともってたんだけど、妹が病気になってそっちにかかりきりになっちゃって、松子はそういうふうに思い込んで、父親に好かれようと努力して(おそらく)失望して、を繰り返して大人になるのね。そのことを思うと、子供を育てる責任についても考えさせられます。なにを置いても愛情をいっぱい注ぐ、ちゃんと子供にわかるように愛情を示し続けるってことが大切だよね。ハッチンを大事に思えば思うほど、その責任の大きさが恐ろしく感じられもするんだけど、わたしは1人じゃないんだしチュンタロウと一緒にがんばろう!!!